オリエンテーションのねらい

平成22年度「東北地域農林水産物・食品輸出オリエンテーションの会」のねらい

1.東北地域の農林水産業の輸出をめぐる情勢

  農産物市場が成熟・縮小化傾向にある中、国内においては、農業の6次産業化により新たなビジネスモデルを地域において構築していく一方、今後、益々発展する海外市場への展開を図っていくこと、すなわち攻めの農政を進めることにより、農業の明るい将来展望を切り開くことが不可欠であると考えています。
  東北地域は、すでに一定量の輸出が定着しているりんご、ながいも、りんどう、水産品をはじめとして、高品質な農産品・飲食料品が多数存在する食材の宝庫であり、海外においても他の国内産品と十分な競争力があります。
  また、こうした輸出の取組を通じて、米依存度が高い東北農業の構造改革を図るとともに、輸出によって得られた利益を地域に還元することによって地域経済の活性化にもつながるものと考えています。


2.これまでの輸出促進の取組

  東北農政局では、管内の関係省庁、各県、JETRO、日本政策金融公庫、生産者団体とともに平成17年に東北地域農林水産物等輸出促進協議会を立ち上げ、東北管内の農林水産品、飲食料品の輸出拡大のため輸出促進戦略を定めるとともに、輸出機会の創出や輸出環境の改善に向けた情報提供により連携を図ってきました。
こうした取組の一環として、平成19年度から「農林水産物・食品輸出オリエンテーションの会」を開催し、輸出を志す事業者等を対象として①輸出促進セミナーの開催による情報提供、②国内外のバイヤーとの商談会開催による輸出機会の創出、を実施してきました。


3.今年度の「農林水産物・食品輸出オリエンテーションの会」の特徴

  今年度の輸出オリエンテーションの会では、以下の取組により、東北の農林水産物のブランド化と輸出を促進します。

① 商談会での商談成功率向上の観点から、事前ガイダンスの開催による商談会参加に向けた準備指導から商談会後のフォローアップ(バイヤーの意向伝達)までを一連の事業として実施し、商談継続をサポートします。
 ② 東北ブランドの認知度向上と商談成功率向上のため、各県協力の下、商談会開催前に商談対象とする産品の産地に海外バイヤー等を事前招へいする事業を実施します。
 ③ 国内バイヤーについては、輸送コストの低減、ロットの確保と拡大の観点から東北地域の貿易業者を多く選定しました。
 ④ 海外バイヤーについては、現地ホテルグループによる日本食レストラン関係および現地小売店から選定し、これら業者との直接取引が成立することを狙っています。
 ⑤ さらに、地域産品の輸出促進について検討している北海道・東北未来戦略会議(事務局:(社)東北経済連合会)と連携し、訪日前後の観光客をターゲットとした地域産品ショップを開設予定である香港の旅行会社をバイヤーとして選定し、海外市場における東北ブランドの形成に効果的な海外からの旅行者への訴求、すなわち観光との連携を狙っています。